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【解説】特別調剤基本料A(特A)除外規定見直しへ

2025.11.04

~2026年診療報酬改定の焦点と薬局経営への影響~

■ 2026年度診療報酬改定の注目ポイント

2026年度の診療報酬改定では、「体制から実績へ」という評価軸への転換が大きなテーマとなります。
特に、薬局と医療機関の関係性をより透明化し、医薬分業の原則(処方と調剤の独立性)をどう守るかが焦点です。
その中で注目されているのが、特別調剤基本料A(特A)除外規定の見直しです。

■ 調剤基本料とは

薬局が処方箋を受け付けて調剤を行う際に算定される基本報酬です。薬局の規模や集中率によって以下のように区分されます。

区分
点数
主な要件
調剤基本料1
43点
集中率95%未満・独立薬局
調剤基本料2
25点
集中率95%以上・または月4万枚超
調剤基本料3
20点
医療機関との関係が強い薬局
特別調剤基本料A(特A)
5点
医療機関と「特別な関係」がある薬局(集中率50%超)
特別調剤基本料B(特B)
3点
関係が限定的な薬局(集中率50%超)

■ “特A”の対象と除外規定

特Aは、医療機関との不動産取引など「特別な関係」がある薬局が対象です。
ただし、施設基準で

「当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合を除く」
と定められており、**同一建物内に診療所がある薬局(医療モール・ビル診療所併設など)**は対象外となります。

■ 除外規定をめぐる課題と岩月会長の発言

日本薬剤師会の岩月進会長は、2025年10月22日の会見で次のように発言しました。

「(除外規定を)抜け道として使う人がいるなら、ふさがないといけない」

同一建物内薬局が除外規定を利用し、実質的に医療機関と密接な関係を維持している可能性を問題視。
また、「特別な関係は、処方と調剤の相互監視体制を崩す」「医薬分業の本旨に反する」と強調しました。

■ 厚労省の疑義解釈通知で運用厳格化へ

厚生労働省は2025年10月20日付「疑義解釈通知(その30)」で、医科側の「総合入院体制加算」および「急性期充実体制加算」について、敷地内薬局などが除外規定に該当する場合は算定できないと明確化。
医療機関側にも同様の制限を設け、医療と薬局の独立性確保を強める方向を打ち出しました。

■ 今後の見通しと薬局経営への影響

2026年度改定では、特A除外規定の再整理が議題となる見込みです。
制度の“抜け道”を塞ぎ、形式的な分業ではなく実質的な独立性の確保が求められます。
この流れは、地域密着型薬局にとってはチャンスである一方、
医療機関との近接立地で運営してきた薬局には見直しが迫られる可能性があります。

■ 大手薬局の出店戦略にも影響

こうした制度の方向性を踏まえると、大手薬局チェーンが医療ビル内や敷地内への新規出店を控える動きが広がる可能性があります。
「医療機関と一体的に見られる立地」は、今後リスクと見なされるおそれがあり、
独立性・地域連携・在宅対応といった分業の本旨を体現できる形態へのシフトが進むと考えられます。

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